先日人事部の実務担当の方からご相談を受けました。「部長以下が決定した人事評価の結果を、人材マネージメントシステム決められているルールから逸脱して、トップが評価を変えてしまった。人事部長に申し出たが既に決まってしまったのだから仕方ないと言われた。これでは社員の信用を失う。」というものです。
おっしゃりたいことは理解できます。ただ、詳しくはいえませんがここは運用マニュアルではどちらとも取れる表現なのです。もっと踏み込んで言えばここには「トップの含みを持たせている」わけです。従って人事担当者は社員として良い方にとっており、トップは経営者として良い方に取っておりなかなか溝は埋まりません。
制度構築の折は事前に社員に対する説明会を開くのですが、この折に「制度を構築するということはトップの裁量権を剥奪することにつながる」などとあまり大風呂敷を広げない方が良いようです。
ただ、この場合、人事部長の対応にもやや問題がありそうです。以前からの相談をあわせると人事部長に対する不満が半分近くを占めているような気がします。
私の話は経営者の立場に近いものになってしまい恐縮です。どうしても「会社の存続が前提である」という視点を外せないからです。これが良いのか悪いのか分かりませんが、当面この考えは変わらないと思います。