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社員100人の会社だが、ポストのほかに等級は必要か?

質問:100人の会社の社長だが、等級という概念を聞くがうちは昔ながらの主任、係長、課長、次長、部長というポストだけで運用しており、これで問題なく運用できている。等級は本当に必要か?

回答:御社の仕組みには2つ問題があると思われます。一つはポストが空かないと昇任昇格できないということです。特に課長以上では部門の責任者として、自部門の管理責任や成果責任を負っているはずです。ということはポストの数=役職者の数であるはずです。総務課長が2人いることはないでしょう。しかしそれではいくら有能な方が一般職の中にいようとも、役職者が退職しない限りポストに付くこと、すなわち昇任昇格することが出来ません。原則として給与や賞与は職位に応じて処遇されますから、これでは能力に応じた処遇を受けることができず社員の不満を招きます。

二つ目は適性の問題です。この仕組みだと昇任昇格すること=管理職に就くことです。しかし社員には個々の適性、向き不向きというものがあります。管理職として部門を管理していくことが向いている人がいる反面、管理職には向かないが仕事の技術や能力は非常に高い人もいます。管理に向いているなら前者のような方に高い技術や能力を要求しても適性が活かせません。逆に後者のような方に管理能力を求めても無理でしょう。それならば2つのルートを作り、後者の場合管理職にはならずとも、高い技術や能力を発揮すれば管理職と同等の処遇を約束しようとする仕組みです。これを複線型人事制度と呼びます。質問者の方法で厚い処遇をしようと昇任昇格させることにより、適性に合わない管理能力を要求されてつぶれたり、退職に追い込まれた能力ある技術者や職人を沢山見てきました。明らかに職人肌の方が管理能力を求められ自殺寸前まで行った事例も知っています。これは会社にとっても社員本人にとっても大きな損失です。複線型人事制度(等級制度)に変更すること勧めます。

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2007年11月11日 04:31に投稿されたエントリーのページです。

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