質問:巷で言われているコンピテンシーを導入しようと思うが、何かアドバイスはないか?
回答:コンピテンシーはどうも誤解されているような気がします。コンピテンシーが高業績者の行動や勤務態度のポイントをピックアップし、それを行動基準として標準化共有化し、更に評価の対象としようと捉えられているような気がしてなりません。これは明らかに誤りです。氷山モデルであるように、表面に出ていて目に見える技術や知識ではなく、目に見えず測定も育成も出来ない人間性に近い部分をコンピテンシーと呼びます。マクレランド博士はそう言っているはずです。測定が出来ませんから評価の対象となりえません。適材適所に活用することが目的です。ただ、これを人間性(明るい暗いなどは対象外ですが)や資質と呼ぶなら理解できます。世を跋扈しているコンピテンシーは限りなく「具体的なアクション」に近いと思います。これでは今までの能力評価と何ら変わりはありません。極論すれば今までの能力評価をコンピテンシー評価と呼び替えているだけではないでしょうか。こんな議論をするよりも今までのように求める能力や行動、勤務態度を明らかにし、それを人事評価課の対象とするほうが現実的と思います。