田峰栃洞線 

 段戸山線田峰栃洞線は豊邦団子島にあった新城営林署団子島事務所から田峰鰻沢線と分岐し栃洞方面へ向けて、概ね北北西へと進む。当時の地図によると出来山の東南東1.5kmほどのとろにある硅石採取場すぐ先、薩摩峠南あたりが終点である。終点の標高は概ね800m。
 団子島事業所を過ぎるとすぐ右手に下Sと呼んだS字カーブの跡がある。それを過ぎると道は二股に分かれる。左が軌道敷跡で右は西川に抜ける林道である。左に曲がり橋を渡るとすぐにシャッターがあり一般車の通行はできない。シャッターを抜けを少し進むと今度は中Sと呼んだS字カーブの跡がある。S字以外軌道敷跡は全て林道に変わっているようだ。林道をひたすら進むが切り立った崖のかなり下を栃洞川が流れており、また距離も結構ある。よくこのような恐ろしい軌道をブレーキを掛けながらトロッコで下ったものだと感心する。残念ながら上Sとんだ最後のS字カーブは確認できなかった。更に進むとまた二股に分かれる。ここを左に折れ橋を渡る。ここまで来ると終点は近く、すぐに珪石採取場の跡が見えてくる。ここを大きく右に曲がると栃洞線の終点あたりである。今まで栃洞川の左岸を走ってきた軌道はここで右岸へ渡るが橋は既にない。川が深く対岸へは渡れなかったが、川には橋の大きな基礎が2つしっかり残されている。その後右岸を200mほど進んだ地点が栃洞線の終点である。対岸からは軌道敷跡の石積みがはっきりと確認できる。見ごたえのある遺構である。

田峰鰻澤線と田峰栃洞線の分岐点にある新城営林署団子島事業所。今は無人。
本線との分岐点から200mほど進んだところにあるS字カーブ。林道より高いところにあり、すでにこのあたりから高度を上げていることが分かる。
同上
S字カーブの下り、左端に自動車が見えるように林道よりかなり上がっている。
 S字カーブの真ん中にある広場のようなところ。専門家の加藤先生のお話によると、宿舎や事務所など建物のの跡ではないかとのこと。
分岐点から数百メートルで橋を渡って左折し、栃洞林道に入る。ここから先は自動車進入禁止。この先5kmほどある。
ゲートから少し入ったところにあったコンクリートから出たレール。
 



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